株式会社 クボタ様

国際女性の日の社内イベント

株式会社クボタでは、美しい地球環境を守りながら、人々の豊かな暮らしを支えていくことを目指し、グローバルな視野をもって活躍できる人材の育成に取り組まれています。その一環として、一定以上の英語力を有する新入社員を対象とした海外研修制度として、AOTSの「GHC海外インターンシップ」をご利用いただいています。参加された感想を、同社 宇都宮工場 生産管理課の柏原早希氏に伺いました。

派遣概要

派遣国・都市 ベトナム・ハノイ
受入機関 Tri Cuong Industrial (TCI)  (AOTSの現地協力機関よりご紹介)
受入機関概要 自動化システム、コンベヤ、治具、精密加工部品等の機械部品、生産設備の設計及び製造
派遣期間 2019年2月~3月(1ヶ月)
インターンシップ内容 生産管理業務の理解
 

AOTSの「GHC海外インターンシップ」への参加を通し、派遣先でどのような業務に取り組まれたか教えていただけますか。

ベトナムの首都ハノイ市郊外の機械製造業TCIにてインターンシップに取り組みました。TCIでは毎日何をするか、事前にインターンシップ計画をデイリーレベルできちんと立てて受入態勢を整え待っていてくださいました。私の希望する生産管理業務を俯瞰的に学べるよう、1ヶ月のインターンシップのうち前半は、工場内の各部門を回って各課のマネージャーから業務概要の説明をしていただき、後半は在庫管理や検査作業など生産管理業務の実践的な内容に取り組みました。毎日、学んだことをTCI所定の様式(A4サイズ1~2枚)に箇条書きでレポートして指導員に添削してもらい、自身の理解度を確認しつつ、インターンシップ計画の修正や日々の業務の調整をしていただきました。結果的に工場業務の一連のプロセスに触れ、学ぶことができました。

また、一方的に学ぶだけでなく、自分からTCIにどのような貢献ができるかも意識して取り組みました。例えば、TCIにおける5S活動に参加して弊社の活動紹介をしたり、最終発表会の時に、特に作業靴の着装等の安全面と業務効率向上の2点について、TCIにとって有用であると感じた改善策を提案しました。

 

生産管理部門マネージャーならびに通訳の方と
(生産管理業務の勉強中)

製造部にて
部品の品質検査作業の体験

インターンシップ期間中、苦労したことはありましたか。それをどのように乗り越えましたか。

TCIでは、受注生産方式を採っておられ、見込生産方式を採る弊社とは生産方式が違ったため、最初は戸惑いがありました。例えば、TCIの社員の方と会話をする際、同じ用語を使っていても、異なる生産方式を前提に話をしているため意味合いが違っていることや、そもそも話題となっている事柄に対する理解の度合いに差があったりすることに気がつきました。そこで、小さなことでも1つ1つ認識合わせをしていくよう心がけました。また、インターンシップ序盤に複数部門で学ばせていただいたことはとても役に立ったのですが、一方で、私が生産管理分野ではなく製造分野のインターンシップを希望しているとTCI側が誤解されていた部分がありました。そこで、指導員の方に相談し、生産管理に焦点を当てた計画に修正していただきました。

通勤や食事、週末の過ごし方などの生活面について教えていただけますか。

宿泊先とTCIとの間の通勤には、ベトナムでよく使われている配車アプリのGrabを使う予定でしたが、TCIの入口はドライバーさんにとって分かりづらいようで、初日、2日目とも続けてGrabのドライバーさんが迷い、かなり時間がかかってしまいました。そこで、TCI社員の方に紹介していただいた地元のタクシー会社に頼んで、毎日朝夕、決まった時間に迎えに来てもらうことにし、スムーズに通勤できるようになりました。昼食はTCIの社員食堂で毎日2種類の定食から選ぶ形で社員の方々と一緒にいただきました。また週末はTCIの社員の方が陶器で有名なバッチャン村、ベトナム民俗学博物館などに案内してくださいました。お蔭でベトナムの生活や歴史・文化に対する見聞を深め、ベトナムの方々の「ものの考え方」のバックグラウンドを学ぶことができました。

インターンシップを通して新たな発見をしたり、驚いたりしたことはありましたか。

ベトナム人と日本人の国民性の違いに驚く場面がいくつかありました。例えば、日本では誰かが発言をする時は、その人が話し終えるのを待ってから相手が口を開く習慣があるように思います。特に立場が上の方に対して下の立場から話をするときは大変気を使います。しかしながら、ベトナムでは会議においてはどの立場の方も対等に積極的に発言し、相手の発言をさえぎってまで話し始めるといった場面も目にしました。また、チームワークはありますが、日本と比べて個の意識が強く、知識や情報は個人の財産とし、部門内で仕事上のノウハウを共有する習慣はそれほどないように感じました。チームで働くことを重んじ、報連相を徹底する日本人との考え方の差を体感しました。

 

各部門マネージャーとの集合写真

最後に、インターンシップ全体を振り返ってコメントをお願いいたします。

TCIでは社員の皆さんがとても温かく親切にしてくださったので、公私に渡り充実した時間を過ごすことができ本当に感謝しています。AOTSからは、準備段階から、渡航手続き・目標設定・インターンシップ計画などを適宜サポートしていただいたので、安心して臨むことができました。IMT(AOTSのベトナムにおける協力機関であるInstitute of Management and Technology Promotion)の担当者の方も、インターンシップ期間中、よく連絡をくださったので、現地で不安を感じることなく過ごすことができました。1ヶ月という派遣期間はとても短く感じられ、「理解し始めた頃に終わってしまった」という印象はありましたが、自分の思う「当たり前」が通用しない環境で、自身の考えや意見を相手に伝え理解し合う必要のある状況を経験できたことは大きな収穫でした。