AOTSの日本語教育の特徴

AOTSは1959年の創立以来、開発途上国からの産業技術研修生等に対する日本語研修を実施し、限られた期間内に最も効率的で成果の上がる短期速習の教授法の実践研究や教材開発、学習環境の整備を行ってきました。

AOTSの日本語教育には、産業人材に特化した日本語研修を実施する機関として、以下のような特徴があります。

就労/研修現場でのコミュニケーションを円滑にする日本語教育

  • 試験のための日本語ではなく、就労/研修現場において口頭で円滑なコミュニケーションがとれることを最優先にした日本語教育を実施しています。
  • 産業人材として業務や研修で必要となることばを学び、実際の就労/研修現場で日本語によるコミュニケーションがとれるようにします。
  • 日本語講師は日本語だけで授業を行うので、受講者は、たくさんの日本語を聞いて話す機会が生まれ、就労/研修現場ですぐに使える日本語を身につけることができます。
  • ロールプレイ、ペアワーク、タスク、活動、プロジェクトワークなど体験型の総合的な学習を通して日本語を習得できる工夫をしています。また、地域住民や学生等との交流会を通した会話練習、教室外でのフィールドワークによるインタビュー等、初対面の人と日本語で話す体験を研修に組み込み、研修終了後にすぐに日本語でコミュニケーションできる能力を養成できます。

行動能力目標の設定とパフォーマンス評価

  • 日本語を使って何ができるか、どのような課題を遂行できるかを示した行動能力目標(Can Do Statements)を設定しています。
  • 行動能力目標が研修を通してどれだけ達成できるようになったかを評価するために、ペーパー試験だけでなく、受講者に現実場面で起こり得る課題を与え、ロールプレイやシミュレーションの中で、スピーチや会話のやりとりをするパフォーマンス試験を実施しています。

学習者の個別性への対応

  • 学習相談や個別面談を通して、受講者の生活や学習上の課題を把握し通常の日本語の指導に活用するほか、自習時間の活用方法や日本語の勉強の仕方に対するアドバイスを行います。
  • 初めて日本語を学習する方には、語学能力適性検査(AP試験)で日本語学習能力適性を把握し、適性に応じた指導を行っています。
  • プレテスト・ポストテストを実施し、各受講者の教育効果について把握することができます。

研修終了後の継続的な自律学習能力を養成

  • 日本語講師は最初から明示的にルールを示すのではなく、絵やイラスト、実物、写真やビデオ等を駆使し、常に受講者が帰納的に文法規則を推測する授業を実施しています。これにより、受講者は日本語の文法ルールや使い方を現実場面でも類推しながら創造的に学習する習慣を身につけられます。
  • よく使うフレーズを丸暗記するだけでなく、日本語の文法を体系的に習得できるので、就労/研修が開始した後も、自分自身で継続的に学習できる基礎力を身につけられます。
  • ノートのとり方、単語の覚え方、音声CDの聞き方などの日本語の学習方法や、学習目標の設定、自己評価、学習リソースの活用方法といったメタ認知能力を養成し、研修終了後も自律的に日本語を学習できる能力を習得できます。

社会人基礎力/ソフトスキルの養成

日本語の授業は単に日本語を学ぶだけでなく、挨拶、時間厳守、資料整理の仕方、チームワーク、他者を尊重し励ましあう姿勢、リーダーシップ、5S、カイゼン、日本語人材としてのキャリア展望等、社会人基礎力やソフトスキルも養成する活動を日本語研修に取り入れています。

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グローバル事業部 日本語教育センター(JLTC)

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