経営者インタビュー

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『日本企業の業務提携をより円滑にするお手伝いをしたい』 ~南アフリカのコンサルティング会社役員に聞く

2018年4月13日(金)10:00

(South Africa/南アフリカ)

 

Majeke Macheke Consulting
Mr. Collin Macheke (Executive Chairperson)
South Africa

 

AOTSが提供する研修プログラムには、新興国を含む海外諸国から多くのビジネスパーソンが参加しています。対象参加者の職位は研修プログラムによって異なりますが、経営者層に向けたプログラムも提供しています。

 

今回は、南アフリカにコンサルティング会社を設立した会社役員にお話をうかがいました。

会社を大きくし、他社とつなぐ

我々は、中小企業に向けた、企業育成、財務処理、資金調達、研修内容に関して助言および指導等を行う経営コンサルタント会社です。SMMEs(中小企業)を大きく育てる援助をしています。南アフリカでは、経済成長のペースがとても遅く、小さい会社を大きくして他の企業とのバランスをとるための政府戦略があります。会社を成長させるには、経験を積んだ専門家の助言が必要です。それが我々の仕事なのです。小さな会社の戦略を細かく見直し、助言を行います。また、業務提携の支援もします。会社を世界中の会社とつなぐのです。分野によって、コンサルタントの仕方は異なり、それぞれに適した助言を行っています。
 
当社は、あらゆる分野の企業に対してコンサルタントを行うのですが、特に、フランチャイズ、鉱業、農業、建設、サービス、製造、金融などが特に多いです。戦略の立案や実施、フィジビリティスタディ(実行可能性検討)、リサーチ等も行います。
 
当社は、6年前に設立され9人の社員がおります。経営方針は、フラット組織で、オーナー管理でありながら参加型であるという方針をとっております。業務は結果重視で行い、オープンにすることで、社員が最高の仕事を出来るような環境づくりをしています。社員は、企業にとって最大の資産です。社員のモチベーションを高めるため、会社のビジョンの共有をしています。各社員が、自分に適した価値ある開発プログラム、助言、また自己開発などを通して成長できるよう日頃から奨励しています。

多くの中小企業が倒産しています

-南アフリカのビジネス習慣について教えてください。課題にはどのように取り組んでいますか?
 
現時点で、南アフリカの経済成長は非常にゆるやかであるため、多くの企業が倒産しています。かつて差別を受けていた人々を教育し経済活動に参加できるようにする、そうした社会改革にいまだ課題を抱えています。
 
  • 人々は労働倫理を持ち、その上、労働環境は非常に整っていても、スキルを持たない人々多くいることで会社の運営を非常に困難にしてしまいます。
 
会社としては、現在、下記のような主な課題があります。
  • 社員の生産性を最大限に引き上げる
  • 最小限の経営資源で効果的に会社を売り込む
  • 会社を維持するために経済的利益となるような長期戦略的な関係を築く
  • 効率的で発展的なビジネスを生み出していくこと

 

このような課題に対して、当社は以下のようなシステムと手順で対処をしています。

  • ニッチ市場を選び、クライアントとの長期契約締結につながるよう会社を位置づける
  • 組織の経営方針を理解させるために社員に研修を受けさせる
  • 業務を効率化させるためAOTSなどのプログラムを定期的に受ける
  • ビジネス締結を定型化する

日本と取引できるものがたくさんあります

現時点で我々は、日本を含めて海外取引を行っておりません。しかしながら、日本企業との協働にはとても意欲を持っています。
 
日本には、多くの中小企業がありますので、ネットワーク構築、パートナーシップ締結、研修、資金調達などを通じてそれらの企業と業務提携を交わしビジネスを拡大させたいと思っています。
 
世界は急速に変化を遂げています。ICT産業を中心とした第四次産業の時代に入っています。我々の国は途上国ですが、それでも日本の産業と取引出来るものはたくさんあります。協力してビジネスを成功させるための今後の来日や、日本から南アフリカに来る企業をお迎えできる日が来ることを楽しみにしています。

小規模ですが成長しています

-南アフリカにおける現在のマーケット事情について教えてください
 
当社は小規模ですが、成長し続けています。現在も、企業の合併プロジェクトを進めているところです。例えば、先日もある地域の鉱業会社の小規模ビジネス開発プログラムを立ち上げるための契約にこぎつけたところです。
 
当マーケットには、参入するにあたり特に障壁がないため、新規競合者も数多く存在しますが、それらの多くは特化した強みを持っていません。しかし、私は、会社の設立者として、また長年の銀行勤務での経験から南アフリカにおけるSMME開発には自信を持っています。

業務提携のお手伝いをします

-日本の人々や企業に伝えたいことはありますか?
 
2008年に横浜でSMMEプログラム(中小企業経営研修)に参加しましたので、今回、AOTSのプログラムには2回目の参加です。日本の企業を見て印象的だったのは、5SやKaizenなどの手法を生活そのものとしていたことです。最も重要なことは、“なぜ仕事をするのか”という質問に答える企業理念です。それが企業において全業務に反映されていました。今回、AFCMプログラム(アフリカ企業経営研修)で日本の企業を訪問した際、話をした担当部署のリーダー達は皆、会社の使命を強調されていました。組織内の全レベル(特に工場)において、その企業のミッションを再確認するために業務が行われているような印象を受けました。
 
中でも一番感銘を受けたのは、オムロン京都太陽株式会社でした。この会社では、多くの障害者を雇用しています。会社の標語である"No charity, but a chance!(慈善ではなくチャンスを)"が全てを語っています。科学とテクノロジーを使うことで、障害者に生産力を与えているのです。最新の生産設備を有しており、優良企業との信用性の高い合弁事業も行っています。
 
我々は、分野を問わず日本の企業との取引を出来ることを願っています。南アフリカへのビジネス進出をお考えの際は、是非お問い合わせください。日本と南アフリカの企業がスムーズに協働出来るよう、私達がお手伝いをいたします。
 
ありがとうございました。