経営者インタビュー

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『より効率的に業務を行えるようプロジェクト管理をさらに学びたい』 ~フィリピンの工業用深井戸掘削会社役員に聞く

2019年12月9日(月)14:00

(Philippines/フィリピン)

 

AQUA HAUS INC.

Ms. Maria Kristina Velasco (Executive Vice President)

Philippines

 

AOTSが提供する研修プログラムには、新興国を含む海外諸国から多くのビジネスパーソンが参加しています。対象参加者の職位は研修プログラムによって異なりますが、経営者層に向けたプログラムも提供しています。

 

今回は、フィリピンの深井戸掘削会社の役員にお話をうかがいました。

エンド・ツー・エンド(端から端まで)サービスを提供する井戸掘削業者

AQUA HAUS INC.は、水道設備建設業者として1988年に設立されたファミリー事業で48人の従業員を擁しています。当社は、工業用深井戸の掘削、ポンプ・モーターの組立および井戸内への設置、ポンプとモーターを繋ぐ自動プロセス全体の中枢をなすモーターコントローラーの設置、さらに顧客に対するシステム操作の指導を行っています。
 
エンド・ツー・エンドサービスの提供者として、社員こそが会社の強みであり糧であると考える当社では、精勤と技能が重視されています。

文書化と報告が次のアクションを決める

人材を尊重し大切にする当社にとって、社内外の研修は不可欠です。新入社員に複雑な機械技能の習得が求められるため、現場研修の指南役としてメンターや先輩が配置されます。潜在力に優れ、高い成果をあげることで、会社に貢献した社員は、電気設計や機械技能などの専門的な上級研修に推薦されます。
 
ISO認証を取得している当社では、全社員が年一度の研修を受けます。昨年の安全管理研修に引き続き、今年は安全管理の上級研修を受ける予定です。
 
人材育成における方針を作成する上で、社員のニーズと会社の利益のバランスをとることに最善を尽くしています。雇用、勤務態度および出欠勤、時間管理と給与、安全衛生管理に関する方針を明確化しています。
 
何か問題・懸念が生じた場合には、事実に即した対応を決めるために、全て文書化し報告するほか、ミーティングを開き解決策を考えます。

現在の高需要を妥協することなく満たすために

2018年に水不足が深刻な影響をマニラ都市部と近隣の州に与えたため、今のところ井戸掘削には旺盛な需要があります。井戸掘削業やポンプ、モーター製造業など競合業者は多数存在しますが、我々の競争力は30年に及ぶ経験と技術に支えられています。
 
我々の顧客ターゲットは、各家庭ではなく30~50世帯を含む村のような大規模コミュニティやゴルフコースなどです。既存の顧客に加えて、新たな顧客も次々と増えています。サービスの質を妥協することなく現在の高需要を満たすには、より多くの人材が必要です。当社のベテラン社員が技術と知識を若手に引き継ごうとしているのですが、これが非常に困難な問題なのです。スムーズな技術移転を目指して、研修の形式を整え、文書化および規格化の徹底を図るべく計画しています。
 
昨今の増大する水道サービス需要を反映し、当社は多くのプロジェクトを同時に抱えています。今回のTKCでの研修の目的の一つとして、効率的にプロジェクトを成功させ、より多くの営業成果および顧客満足度をあげるための手法を学びたくおもいます。

Q. あなたの国のビジネス慣習について教えてください。

フィリピンでは、個人的な付き合いがビジネスに深く関わっています。取引先またはサプライヤーとの信頼関係やネットワークを築くためには、相手のことを詳しく知ることが必要です。顧客を満足させるサービスを提供すれば、別の新たな顧客への紹介へとつながりネットワークも拡大します。フィリピン人は技能に長け、指示を忠実に守ります。さらに、支援やサービスに対して労をねぎらい感謝の意を表します。
 
海外企業との取引に関しては、ニュージーランドのAuCom社や日本の荏原製作所と約10年間取引を行ってきました。我々の製品の部品やポンプを取り寄せています。さらに日本企業との関係を増やし、それらの企業から製品を輸入して、フィリピンで販売が出来ればと思います。

Q. 最後に、現在の職業に就いていなかったら、何になりたかったですか?

ツアーガイドです。
 
ありがとうございました。
 

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