インドネシア労働事情シンポジウム ~日系企業が抱える労使関係・人材育成の課題~

実施報告

2020年2月20日(木)AOTS東京研修センター(東京都足立区)において、「インドネシア労働事情シンポジウム~日系企業が抱える労使関係・人材育成の課題~」を開催しました。

本シンポジウムでは、経験豊富な講師・パネリストをお迎えし、インドネシアで操業中及び今後進出を考える日本企業が現地での円滑な操業のために必要な人的側面についてお話いただきました。

第一部 基調講演 13:00-15:00

第一部では、ボブ・アザム氏(インドネシア経営者連盟(APINDO) 副会長 雇用・労使関係担当)、山本郁郎氏(金城学院大学 名誉教授/公益財団法人中部産業・労働政策研究会 顧問)にインドネシアの労働事情・人材育成・労使関係についてご講演いただきました。

講演内容

ボブ・アザム  氏

インドネシア経営者連盟(APINDO) 副会長 雇用・労使関係担当

・TMMINの労使関係・労使コミュニケーション

・TMMINの人材育成

・インドネシアの労働状況

・インドネシアへの日系企業への期待

 

※当日の詳細な記録はこちらからダウンロードできます。

山本  郁郎  氏

金城学院大学 名誉教授/公益財団法人中部産業・労働政策研究会 顧問

・インドネシアの労働事情

・インドネシアの労働組合運動と労使関係の特質

・インドネシアの人材開発の現状と課題

・インドネシア人の文化と行動様式

 

※当日の詳細な記録はこちらからダウンロードできます。

講師プロフィール

ボブ・アザム  氏

インドネシア経営者連盟(APINDO) 副会長 雇用・労使関係担当

1966年、ジャカルタ生まれ。ボゴール農科大学農業工学科を1991年に卒業し、2001年にはインドネシア大学にて行政学の修士課程を修了した。ボゴール農科大学卒業と同年の1991年にトヨタ・モーター・マニュファクチュアリング・インドネシア(TMMIN)に入社、2014年より同社取締役を務める。TMMINでは様々な重要なポストに就いた経験があり、2013年から2014年には渉外・人事労務部長、2010年から2014年にはトヨタ年金基金のチーフも務めた。現在は、管理・渉外担当の取締役であり、トヨタ年金基金の監査委員も担当している。TMMINだけに留まらず、国家賃金審議会副委員長、インドネシア商工会議所(KADIN)副会長 雇用・研修担当としても活躍しており、APINDOでも精力的に活動している。

山本  郁郎  氏

金城学院大学 名誉教授/公益財団法人中部産業・労働政策研究会 顧問

1976年より金城学院大学文学部に赴任、1997年の現代文化学部設置に尽力し、労働問題研究とアジア地域研究に注力した。2015年4月より同大学名誉教授。同大学着任中、1985年から1年間インドネシア科学院での在外研修に参加し、2001年にはJICAの長期専門家としてインドネシア大学日本研究センターに派遣された。このJICAのプロジェクトでは「インドネシア人知日派社会科学者の育成」を掲げ、インドネシア大学の多くの准教授、助手、院生と実証研究を積み重ねた。その成果は2004年から2007年の『金城学院大学論集』社会科学編各号に掲載されている。また、ひろく社会的な活動にも従事し、2002年から2008年まで中部船員地方労働委員会会長を務め、2003年には藍綬褒章を受章した。2017年以降、ジャカルタを拠点にインドネシア教育大学で教鞭をとりながら、講演活動を行なっている。

主要著作:

「「グローバル化」する労使関係と労働組合の対応-インドネシアの事例を中心として」『日本労働研究雑誌』2014年、56巻11号

「アセアン日系企業の技能系人材育成と「ローカル・コンテキスト」」『日本労働研究雑誌』2012年、54巻6号

「インドネシアにおける二つの経済成長と雇用構造-成長戦略転換の兆しか?-」『金城学院大学論集 社会科学編』2012年、9巻1号

第二部 パネルディスカッション 15:00-17:00

第二部では、「日系企業が抱える人材育成・労使関係の課題」をテーマとし、参加者の方々から事前にいただいた質問にパネリストが答える形式でパネルディスカッションを実施しました。モデレーターに山本氏、パネリストにボブ・アザム氏、川﨑剛司氏(株式会社伊藤製作所 取締役 営業 海外事業担当)、ムハンマド・アリフ・クルニアワン氏(TDK株式会社 電子部品営業本部企画管理統括部 グローバル人事部 担当係長)、吉田晋氏(東京商工会議所 中小企業部 中小企業相談センター 海外展開支援担当課長)をお迎えしました。また、ボブ・アザム氏と一緒に田中正道氏(トヨタ・モーター・マニュファクチュアリング・インドネシア 社長補佐)もご参加くださいました。

主なトピック

・採用活動

・人材育成

・給与体系・評価制度

・労使関係

・離職

※当日の詳細な記録はこちらからダウンロードできます。

 

 

モデレーター

山本  郁郎  氏(金城学院大学 名誉教授/公益財団法人中部産業・労働政策研究会 顧問)

パネリスト 

ボブ・アザム  氏(インドネシア経営者連盟(APINDO) 副会長 雇用・労使関係担当)

川﨑  剛司  氏(株式会社伊藤製作所 取締役 営業 海外事業担当)

ムハンマド・アリフ・クルニアワン  氏(TDK株式会社 電子部品営業本部企画管理統括部
グローバル人事部 担当係長)

吉田  晋  氏(東京商工会議所 中小企業部 中小企業相談センター 海外展開支援担当課長)

田中  正道  氏(トヨタ・モーター・マニュファクチュアリング・インドネシア 社長補佐)

パネリストプロフィール

川﨑  剛司  氏

株式会社伊藤製作所 取締役 営業 海外事業担当

1995年に株式会社伊藤製作所に入社、2008年より同社取締役を務める。2002年から2008年にはフィリピンに、2013年から2017年にはインドネシアに駐在員として赴任した。フィリピン駐在中は、前身の合弁会社ITO FOCUSから同社100%出資子会社であるITO-SEISAKUSHO PHILIPPINES CORPORATIONの立上げに尽力し、副社長(2002年~2004年)ならびに社長(2005年~2008年)を務め、家族的な経営により社員定着率が非常に高い職場の基礎を築いた。2013年にはインドネシアの財閥NEW ARMADAとの合弁会社であるPT. ITO-SEISAKUSHO ARMADAを立上げ、2017年まで副社長を務め、同社の海外展開において多大な貢献をした。

ムハンマド・アリフ・クルニアワン  氏

TDK株式会社 電子部品営業本部企画管理統括部 グローバル人事部 担当係長

インドネシア生まれ。2000年より2003年まで技能研修プログラムにて福井県の中小企業に勤務。インドネシアへ帰国後、2004年に再来日し、兵庫県立大学経済学部に入学、2008年に卒業した。その後、株式会社マンダムへ入社、人事や内部監査等の経験を深め、2012年から2017年までPT MANDOM INDONESIAに駐在員として赴任、経営企画室室長、組織開発・タレントマネジメント課課長、内部監査室室長を務めた。2017年より日本本社へ戻り、人事部人財開発課主任、人事部人事企画課主任を務めた。インドネシア子会社と日本本社の両方でインドネシア子会社の人事制度再構築に携わった経験を持つ。2019年より現職。    

吉田  晋  氏

東京商工会議所 中小企業部 中小企業相談センター 海外展開支援担当課長

1994年、東京商工会議所に入所。2013年3月から4年間、ジャカルタジャパンクラブ(日本人商工会議所)へ出向し、インドネシア政府・行政への政策意見要望や渉外を担当、事務局長を務めた。また、商工会議所内に設置された労働問題委員会にて、労働デモの影響調査と行政への要請をはじめ、外国人労働者の就労許可や社会保障制度など厚生労働分野の課題に携わり、現地日系企業の経営円滑化に寄与した。2017年4月より現職。海外展開(進出・輸出・輸入)に取り組む都内中小、小規模企業を、事業計画策定、市場分析、実現可能性調査、支援施策の情報提供などによってサポートしている。

開催概要

日時

2020年2月20日(木)13:00-17:00

会場

AOTS東京研修センター

テーマ

インドネシアで日系企業が抱える労使関係・人材育成の課題

定員

50名

言語

日英同時通訳

参加費

無料

 

※当シンポジウム開催時のリーフレットはこちらからダウンロードできます。