経営者インタビュー

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『これからも健康的な製品を人々に届けることに力を注ぎ続けたい』 ~スリランカの製茶企業社長に聞く

2016年12月2日(金)14:55

(Sri Lanka/スリランカ)

 

Food & Nature社

Mr. P. M. Chamendra Somatunga (Managing Director)

Sri Lanka

 

HIDAが提供する研修プログラムには、新興国を含む海外諸国から多くのビジネスパーソンが参加しています。対象参加者の職位は研修プログラムによって異なりますが、経営者層に向けたプログラムも提供しています。

 

今回、スリランカで緑茶を専門に取り扱う製茶企業を営む参加者にお話しをうかがいました。

 

 

-まず初めに、御社の会社概要についてご紹介ください。

 

Food & Nature社は「FADNA(ファドナ)」ブランドで知られるスリランカのハーブティー産業のパイオニアであり、緑茶を専門的に取り扱っています。会社はスリランカの中心地であるコロンボから約16kmのマハラガマに所在しています。2004年以来、多種多様なハーブティーを便利なティーバック形態で製造、販売、輸出しており、社員数は40人以上で、売上高は年間24万米ドル以上です。

 

国内外のどちらでも、FADNAのハーブティー製品は保存料、人工香料、着色料を使用せずに製造され、国際基準に適合した包装がされています。工場はHACCP(ハサップ)および2000年版ISO9001を取得しています。Food & Nature社はGMP(医薬品および医薬部外品の製造管理および品質管理の基準)による食品衛生の一般的原則を満たしていると認定され、賞を授与された企業であり、スリランカ伝統医学省のアーユルヴェーダ局からも認定されています。何より、アーユルヴェーダ局はFood and Nature社が製造したハーブティーは処方箋なしで飲用可能であること、一般的な利用に適していることを認めています。また、スリランカで食品科学の第一人者であるD.B.T.ウィジェラトネ博士が、当社にコンサルタントとして製品技術を提供してくれています。

 
-会社を経営していく上で、どのような事を特に大切にされていますか。理念や方針など、大切にしていることを教えて下さい。
 
Food & Nature社は天然資源の保存が当社の企業責任であり、重要な企業原理であると認識しています。この理念はFADNAの社風や信条の核を成し、研究開発から製造、販売、利用、廃棄までの製品寿命のあらゆる段階で環境への負担を減らしています。
 
-自社事業を更に発展・成長して行く上で、成長の妨げとなっている課題はありますか?またその“課題”に対し、どのような手を打つべきとお考えですか?
 

研究開発、製造ライン、販売、マーケティングなどいくつかの分野でトレーニング不足を認識しています。また我々の市場セグメントにおいて、競争が激化していることも認識しています。そして現在、大学や政府関連機関など、社外からの産業専門家を招いた研究開発トレーニングをいくつか計画しています。

 

また、社員に対する報奨制度を設けることで製造ラインの効率を向上させ、労働環境を快適にすることで労働条件の改善も計画しています。

 

-現在の海外ビジネス展開状況を教えてください。

 

当社は主に国内で事業を行っていますが、中東やロシア、オーストラリアに製品を輸出しており、さらに世界市場へと事業を拡大したいと思っています。

 

-今後、更なる海外ビジネス展開をお考えですか?また海外ビジネス展開を成功に導くために、貴社が大切にしている事、重視したい事は何でしょうか?

 

はい、計画しています。FADNAの第一目的は、シンプルかつ効率的な方法で、人々に一般的な健康と幸福を享受してもらうことです。これからも健康的な製品を人々に届けることに力を注ぎ続けたいと思います。

-貴社ビジネスが属する、自国におけるマーケットの状況について教えてください。

 

現在、当社の主要製品である“FADNAシェイプアップ・ティー”は、スリランカの緑茶セグメントで市場を牽引しています。製茶業には多くのセグメントがあり、その中で当社は緑茶セグメントに特化しています。このセグメントにおいて当社は、全緑茶製品の中で約45%の市場シェアを占めています。スリランカ国内には多くの現地競合会社があり、その数は100社以上です。

 

この種の産業では、下記のような多くの参入障壁に直面しています。

  • 政府が制定した厳格な規則
  • いくつかの産業規制機関の存在による複雑さ
  • 消費者がこの種の製品の重要性を理解するための専門知識の必要性

 

-自社人材を育成していく上で、どのような点に注意を払って取り組んでいますか?

 

スリランカでは比較的、トップダウン方式が一般的ですが、当社では工程を通して参加型の指導方式を採用しています。社員と話し合い、彼らの考えを考慮して我々は決断を下し、特定のアクションを起こします。このようなアプローチは、専門的な社員がいる場合が最良で、彼らの助言が必要であると同時に、彼らにも助言することを期待しています。幸いにも、当社には多くの専門家がいます。

 

-最後に、日本や日本企業についてどのような印象をお持ちでしょうか。日本に来て驚いた事、感動したこと等ありましたら教えてください。

 

日本企業は成功に向け、従業員全員の努力を束ねる重要性を強調する一方、より環境に優しい企業を目指す研究に投資しています。日本企業は、環境に適合した彼らのビジネスを営むことに特に配慮しています。多くの日本企業の設立理念は起業家精神を後世に伝えることです。

 

日本の自動車リサイクル法に従って自動車の解体処理を行う企業を訪れる機会がありました。中古車販売店を開設し、高い品質のタイヤやハンドル、オーディオ、GPSナビゲーション・システムなどを適正価格で取り扱っています。この企業が質の高いリサイクル業者となっていることを知り、驚きました。

ご協力ありがとうございました。