経営者インタビュー

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『IT教育を通じてミャンマー中の組織と経験を共有することが出来る』 ~ミャンマーのIT製品およびソリューション販売会社の役員に聞く

2019年1月21日(月)15:30

(Myanmar/ミャンマー)

 

KMD Company Limited

Mr. Zaw Hlaing Bwa (Director)

Myanmar

 

AOTSが提供する研修プログラムには、新興国を含む海外諸国から多くのビジネスパーソンが参加しています。対象参加者の職位は研修プログラムによって異なりますが、経営者層に向けたプログラムも提供しています。

 

今回は、ミャンマーにてIT製品およびソリューション販売を行う会社の役員にお話をうかがいました。

優良で超有名な最先端情報通信技術(ICT)企業

KMDは、1986年にThaung Tin氏およびTyn Tyn Aye氏により、コンピューター研修センターとして設立されました。その後、1993年に民間企業となりIT製品およびIT教育の提供を行ってきました。KMDは、業界を牽引するミャンマー国内最大の最先端情報通信技術(ICT)企業です。現在、987名の社員がおり、国内の主要都市に14支社を構えています。さらに、国内に140以上、カンボジアに2ヶ所のIT研修センターを設けています。また、シンガポール支社では、事業開発、物流、財務を扱っています。KMDが行う多種多様なビジネスの一貫として、IT教育の提供と、Fujitsu、NEC、Toshiba、FUJIFLIM、Sato、Dell、Lenovo、Asus、Intelなどの製品を代理販売しています。ミャンマー国内の主要都市に販売店舗を設けています。
 
KMDのIT研修には、3つのタイプがあります。まず、ミャンマーの企業や大学にグローバル認証であるNCC Education、グリニッジ大学、LCCI (London Chamber of Commerce International)、City & Guilds等のICT技能認定制度を導入しています。次に、ミャンマー教育省により修了証書が発行される研修を行っています。そして、ネットワーク・エンジニアリングやソフトウェア・エンジニアリング、そしてマイクロソフト社公認のMicrosoft Certified Professional (MCP)研修等の専門研修を行っています。研修後、研修生は当社のPearsonオンライン試験センターにて国際認証試験を受験することが出来ます。また、当社では、マイクロソフト社製アプリケーション、グラフィックデザイン、A+ Hardwareなどに関する基礎的なコンピューター技術の研修を受けることも可能です。
 
当社の主要事業において、カスタマーサービスとシステム構築(インテグレーション)にも全力で取り組んできました。当社の顧客には、政府、多国籍企業、大企業、国際連合機関、JICA等の非政府間国際組織もおり、IT製品やサービスを提供しています。また、当社は、自社ブランドの新たな事業ラインとしてOEM(Original Equipment Manufacturing=相手先ブランド製造)も行っております。当社のオリジナル製品には、Be Tablet、ノートブックパソコン、IT用品などがあります。中国の深圳市に製造工場があります。ICT業界での30年以上の経験を活かし、KMDは強力なブランドイメージを確立し、ミャンマーで最も優良で有名な最先端ICT企業としての評判を獲得することが出来ました。

利益のためだけでなくより良い社会のために

当社が人材育成に関して、常に考慮していることが二つあります。一つは、会社を一つのコミュニティ(共同体)として発展させること、そして全職員に研修を受けさせることです。社員研修では、海外のセミナーに送り出す場合もありますし、社内研修も行っています。若手社員には、奨学金制度も設けられており、より選択肢が広がるようにしています。
 
会社の利益のためだけでなく、国のために、そしてより良い社会のためにビジネスをしています。ビジネスと社会のニーズのバランスを取ることを常に心に留めています。

進行中の海外企業との取引

ミャンマーは、新興市場であり政府は事業開発を引き続き進めています。当社は、最先端産業に携わる一方で、その成長は、製品の製造元である中小企業や多国籍企業に懸かっているのです。目標の達成には、まだ課題があります。継続的な需要を得られれば、中国で製造する代わりにミャンマー国内に自社工場を設立したいと思います。そして、東南アジア諸国に進出したいと考えています。しかし、2018年の初めからインフラ率は上昇し、過去2年間で23%も上がりました。現在、消費者意欲は減退し、国内の産業には悪影響をもたらすかもしれません。これが、我々が海外進出を促進している理由の一つです。
 
現在当社は、Fujitsu、 NEC、 Microsoft、 Intel、 Dell、 Lenovo、 Asusなどの海外企業との取引も進行中です。当社は国内唯一のFujitsu公認販売代理店です。製品の販売をするだけでなく、販売後のアフターサービスも提供しています。当社は、2015年以降、NTT Data MyanmarおよびNTT Data Japanとも取引があります。私は、海外企業との取引において、市場調査、現地チームとの良好な関係、資金調査が成功の秘訣であると考えます。
 
ミャンマーのビジネス慣習で、個人的な付き合いは非常に有効です。彼らは、知人や信頼出来る相手とのビジネスを望むため、第三者による紹介が重要になります。信頼は、ビジネスパートナーとして良好な関係のカギとなり、彼らは偽りの無い関係を求めます。身内であれば信頼関係は確実ですから、ビジネスネットワークは大抵、彼らの親戚や仲間内で構成されていることが多いです。

ミャンマー中の組織と経験を共有できる

今回で4度目の来日となりますが、AOTS研修に参加するのは初めてです。私の会社から、すでに参加した者は数名います。このプログラムを通じて、知識や意見を得て、帰国後は日本のテクノロジーやビジネスマナーを仲間達と共有し活用していきたいと思います。当社では、毎月、セミナーを開催し個々の経験を共有する機会をつくっています。社内で共有するだけでなく、我々が提供するIT教育を通じて、ミャンマー中の組織と共有することが出来るのです。
 
ミャンマーでは、海外企業とのビジネス拡大を試みる企業が次々と現れており、KMDもその一つです。私は、ミャンマーでのビジネスをお考えの海外企業、特に日本企業に対して、KMDであれば最良の製品とサービスを提供できると自信を持って言えます。より多くの海外企業にミャンマーに来ていただき、是非、一緒にビジネスをしたいと願っています。
 
KMD社サイト: https://www.kmd.com.sg/
ありがとうございました。