代表挨拶

一般財団法人海外産業人材育成協会(AOTS)は、1959年に開発途上国と日本の相互の経済発展をめざす民間ベースの技術協力機関、海外技術者研修協会として産声をあげました。創立初年度に海外技術研修生として受け入れた方々はわずか43名にすぎませんでしたが、その後、日本産業界の輸出振興と海外展開に連動して研修生の数は拡大の一途をたどり、これまでに協会が日本および海外で研修を行った研修生の数は、のべ約45万人にのぼります。

また、1970年の設立以来、主に開発途上国への専門家派遣を実施してきた海外貿易開発協会と2012年に合併し日本と海外を結ぶ双方向のスキームが実施可能となり、人材育成に関わる技術協力の総合的な実施機関として生まれ変わりました。

こうした民間ベースの技術協力において、当協会は人と人との絆を築くことを重視し、開発途上国との友好関係を強化してきました。この姿勢は、帰国した研修生による44か国・地域における自主的なAOTS同窓会の設立や、AOTS同窓会の当協会のパートナーとしての活動につながっています。

この間、国際社会、特に開発途上国は大きく変化しました。東アジアや東南アジア諸国はめざましい発展を遂げ、日本と対等なパートナーとしての関係を築くまでに成長しています。また、グローバル化の進展やIT技術の発展は、開発途上国の人々に先進国の来し方とはまた違った発展の道筋を開いています。

こうした中、当協会は従来行ってきた技術協力のあり方に加え、開発途上国との協働事業の実施、開発途上国同士の協力による人材育成のサポート、日本社会の国際化支援等、新しい取り組みを進めております。相互の発展を希求した設立の志に立ち返りつつ、今後もたえず時代に則した技術協力のあり方を模索し、「共に生き、共に成長する」協創社会の実現をめざしてまいります。

 

一般財団法人海外産業人材育成協会(AOTS)
理事長 桒山信也