専門家の声 ベトナム(ホーチミン)

松本貢一 専門家
ベトナム(ホーチミン)
派遣期間:2017年11月~2018年3月
指導内容:組立ロボット用アタッチメント部品製造における生産性向上による省電力化に関する指導

効果的な指導方法

私の派遣先企業は、精密鋳造法を用いてポンプの部品等の製造を行っており、ステンレスを得意とする会社です。私の着任当初は、準備していた資料を用いて通訳を介しながらの説明をしていましたが、うまく伝わらない時の方が多く、かなり苦戦をしました。実践ならばと思い、実際に作業を行いながらの指導を行いましたが、なぜその作業が必要なのか等の理解までの時間が必要でした。

このような状況を少しでも改善できたならとの思いでマニュアル作りをスタートしましたが、開始早々に大きな壁に阻まれます。それは、現地の言葉に無い表現です。翻訳ソフトを駆使し通訳の方に協力をお願いしての作業となりました。派遣先企業のスタッフに確認しながらの作業でしたが、完成させることができました。

作業を終えて改めて感じたことは、日本語はとても繊細で難しいと言うことです。専門用語の種類の少なさや、表現の方法によっては全く伝わらないこともありましたが、派遣先企業の発展に少しでも寄与できればと思います。今回は、自分自身も様々な観点から、たくさん勉強させて戴きました。

測定実習

スタッフミーティング

現地スタッフとの交流

「今度の金曜日、時間大丈夫ですか?」昼食時間の社長から突然の言葉でした。何のことだろうと思っていると、「忘年会をします。」との言葉でした。「はい、大丈夫です。」と二つ返事で答えました。

忘年会当日、仕事を終え会社の車に乗り込み会場へ向かいます。会場に着くと、人数が少ないと思いました。聞けば、係長以上の忘年会とのことです。そういえば、全従業員対象の忘年会は先週準備していたと思い納得しました。テーブルに次々と料理が運ばれてきます。もちろんベトナム料理です。

その時です。離れた所から掛け声が聞こえました。見れば現地スタッフが乾杯をして飲み始めています。私はすぐに社長に聞きました。

「社長の挨拶とかは無いのですか?」すると「これがベトナムスタイルだ」の返事です。処変わればだなと思った瞬間でした。その後、料理の食べ方等を教わりながら楽しい時間を過ごすことができました。

当寄稿は2018年4月18日発行の「AOTSメールマガジン No.85」で配信されました。