専門家の声 インドネシア(ジャカルタ)

阪田晴彦 専門家
インドネシア(ジャカルタ)
派遣期間:2018年9月~2018年10月
指導内容:日本式機械警備業務の運用方法に関する指導

現地スタッフの心を掴む方法

私の派遣先はインドネシア、ジャカルタでした。国民の多数はイスラム教徒ですが、国教が定められているわけではなく、イスラム教以外にもヒンズー教、仏教などが信仰されています。

性格は非常に明るく人懐っこく、また音楽とおしゃべりが大好きな人が多いです。昼飯時など、食べ終わってからが本番と言わんばかりのお話し好き。

ですが、仕事になると、じーっとこちらの様子を伺っていて、こちらから質問をすると返事は帰ってくるがそれっきり、まるで亀のようにちょっと首を出してみて、何か言われると途端にピュッと首を引っ込める、そんな感じでした。

指導先企業の方々と(右から2番目が阪田専門家)

ですので、こちらからグイグイ行くことに決めました。単語帳だけ握りしめて、通訳者をつけずにそのままずかずかと乗り込み、超がつく片言のインドネシア語でずっと話しかけ続けることにしました。3日くらい経つと、私の語学力と心意気を理解してくれたのか、片言の英語を混ぜてお話ししてくれるようになりました。

これが、言葉の習得に非常に役立ちました。また、こうなると、通訳の方が居てもそっちを見ずにどんどん質問してくれるようになりました。(当然、会話のスピードが速すぎて分からないので通訳はして頂きました。)相手がこちらの話を聞こうとしてくれるので、伝わる内容も一気に増えます。結果、教育の効率が上がりました。

臆せず飛び込む、心を開く、教えに来たのではなく一緒に学ぶ姿勢でいる、この3つを実践しています。

休日の過ごし方

休日の日中は散歩をすると決めていました。指導先企業の赴任者の方からは、慣れるまでは止めておいた方が良いと何度も忠告を頂きましたが、私の派遣期間は非常に短いので、もたもたしてはいられない。

習うより慣れろと、逗留先近くのショッピングモールへ歩いていくことをルーティンワークにしました。(所要時間約10分。)

路上の屋台でアヤム(鳥)やカンビン(ヤギ)のサテ(串)を買い食いし(要するに串焼き、やたらと安い、そして美味い。)、モールに着いたらアイスコーヒーを飲んでリラックス(これまた安い、そして美味い)。

モール内で涼みつつ人間ウォッチング、地下の食料品売り場で必要物資を買い込んで、また歩いて帰る。やってみればなんてことはない、本当のこの国の雰囲気と食べ物を味わうことができました。

気楽な感じですが、防犯には気を使います。時折周囲に目を配ること、鞄はリュックではなくたすき掛けにできるボディバッグ、バッグ部分は当然前に回しておくこと。

散歩道

買うつもりがないものは、声を掛けられても断固「いらない。」と言うこと、そして、日が落ちたら絶対にタクシーを使うこと。これは絶対。

昼と夜では街が全く違う顔を見せます。居る人間が違う感じです。この国の、昼の明るさ・元気さと夜の闇の深さのコントラストは凄い。日本とは桁違いです。良くも悪くも、勢い、元気さを感じました。

当寄稿は2018年12月19日発行の「AOTSメールマガジン No.93」で配信されました。