専門家の声 ベトナム(ビンズオン省)

川崎伸治 専門家
ベトナム(ビンズオン省)
派遣期間:2018年7月~2019年3月
指導内容:プラスチック塗装における新規設備での生産性向上による省電力化に関する指導

現地スタッフとのコミュニケーション

指導の際にまず突き当たるのが言葉の壁です。これが一番のストレスで、日本語の出来る事務所スタッフが何名かはいるのですが、指導内容の専門的な言葉になると、やはり通訳しきれない単語が出てきてしまい、単純な伝達ミスが多くなりました。

そこで口頭だけでの作業指示を止め、事前に指導内容を書面に起こし、ミーティングを行ってから作業に取り掛かるようにしました。これによりミスは減少しました。

一方、現場作業員への直接指導では、作業員がベトナム語しか話すことができないため、通訳者無しでは伝わりません。通訳者が休んでしまった場合には、コミュニケーションが取れず、非常にストレスが溜まってしまうことがあります。

時折、スタッフの誕生日パーティーや忘年会、時には結婚式の披露宴などにお誘いを受けて参加しますが、楽しいものの、言葉が通じないのが非常に残念です。ベトナム語は発音6声調(南部では5声調?)もあり、話すことも聴き取ることもままならないです。

ベトナム人は英語が堪能な人が多いので、事務所では片言の英語と日本語でマネージャーとコミュニケーションをとっています。

指導先企業の忘年会にて
(社内の民族舞踊のダンスチームと)

現地での生活について

ベトナムは、牛豚や鳥(鶏、アヒル、雀)をはじめとする肉料理(日本ではあまり馴染みのないヤギや、中にはヤマアラシのようなものまで)が多いのと、川魚がメインで香草がふんだんに入った料理が多いです。私はパクチーが苦手なので、いつも取り除いてから食べます。

揚げ春巻きはとても美味しく、いつもベトナム料理店で注文して、現地のビールで流し込みます。ベトナムビールは飲みやすく美味しく、日本のそれと遜色ないのですが、日本食レストランで生ビールを飲むとこちらの方に軍配が上がります。

ホーチミン市には日本食レストランが多いのですが、私の住んでいるビンズオン省ではとても少なく、数軒しかありません。
救いなのはアパートの近隣に大手日系スーパーがあるので、そこでお寿司やラーメン、うどんを食べています。お寿司はベトナム人にも人気があり、休日になると人だかりができるほどです。

揚げ春巻き(チャーヨー/Cha Gio)

現地の人は基本的に生ものを食べる文化が無いため、日本の刺身などに抵抗を示しますが、食べてみると美味しいのか、好きになる人が多いです。また麺類文化が中心のためか、日本のうどんが好きなベトナム人はとても多く、ホーチミンにある某有名うどん屋は長蛇の列です。

私はたまにフォー(PHO)を食べますが、店によって味が違うので、行きつけのお店を決めています。ここにある、備え付けのニンニクの酢漬けは最高です。ベトナム料理が苦手な日本人は多いですが、私はベトナム料理が好きです。

当寄稿は2019年3月20日発行の「AOTSメールマガジン No.96」で配信されました。