専門家の声 ベトナム(ハノイ)

金子 浩一 専門家
ベトナム(ハノイ)
派遣期間:2021年11月~2022年3月
指導内容:自動化機械製造に対する技術指導及び販売指導

現地スタッフとのコミュニケーション

今回指導した現地スタッフは、皆、日本での業務経験があり、日本語も上手に使えて、言語の不自由さは全くございませんでした。

ただ、その一方で、会話で確認した事と実際の行動や結果が伴わない場合が少なからず起き、ことある毎に現地スタッフと注意深く会話を繰り返し、時には機械翻訳を駆使しながらベトナム語で意思を伝えるなど、反省を繰り返し、誤解を解いて、お互いに正しい理解の元に改めて指導し直す事もございました。

現地スタッフと

例えば、「出来る」と言う言葉。一般的に、ベトナム人は簡単に「出来る」と言います。恐らく直感だけで「出来る」と言っている様です。勿論、こちらも鵜呑みにはせず、違う問いに変えて再確認するなど、慎重に話を聞いて業務を遂行しますが、心の底では(部品メーカーが希望通りの納期で納品するハズ/部品不良や設計ミスはないハズ/何かあっても誰かが助けてくれるハズなので)「出来る」と言っている場合もあります。

一方、日本人は一般的に予想される課題、問題を予め予測して、それらの難易度を考慮した上で、場合に依っては、条件付きで、「出来る」「出来ない」と言う言葉を発します。そのため幾つかの齟齬が若干ございました。これらの認識の食い違いなどを回避する事も指導するポイントと理解して指導する事で、私自身もとても良い勉強となりました。

現地での生活について

派遣先国ベトナムは、親日国で滞在した地区のみならず週末やテト休暇中に訪れた各地の方々が、皆優しく、日本人を喜んで受け入れて頂きました。初対面の方々との挨拶ではまず最初に「日本人です」と言うだけでとても歓迎されました。

次に感じた事は、物価が驚くほど安い。缶ビール1本11kVND=55円、一般的な食堂では、食べたいだけ食べて100kVND=500円程度以内の安さ。市内の移動は主に市バスを利用し、移動時間は多少増えますが、地区毎の乗降客の流れなどで繁華街などを実感しながら移動出来、1回の乗車賃が7kVND=35円、私の場合は、更に60歳以上のため証明書提示で無料、ハノイ市内も含め近郊のホテル(2~3星)約500kVND=2500円、汽車(ディーゼル)ハノイ⇔ハイフォン間約120㎞往復192kVND=960円、の安さです。週末にはハノイ市内からハイフォン市のビーチまで1泊旅行をしても2Milion VND=1万円で充分リゾート気分を味わう事も出来ました。

ハイフォン市のビーチ

ハノイ⇔ハイフォン間の汽車

東南アジアはタイ、フィリピン、インドネシアなどで滞在した経験がありましたが、ベトナムは更に物価が安いと感じました。特に今回の滞在中は、コロナ感染防止のため店内飲食規制もあり、自炊が多く、経済的で生活し易い国と感じました。

また、温暖な気候も魅力の一つです。ハノイは、北部地区のため比較的寒いと言われておりましたが、11月~3月の冬季に暖房なしでも殆ど問題ありませんでした。ただ、もし、ハノイで長期滞在を予定されている場合は、住まいを選ばれる際にエアコンに暖房機能がついているか確認される事をお勧めします。ほとんどのアパートや3つ星のホテルでは、”エアコン付き”は冷房のみの場合が多く、最も寒い日には暖房機能があると安心です。

当寄稿は2022年6月15日発行の「AOTSメールマガジン No.141」で配信されました。