第7回 日本語スピーチコンテスト

※「2020年度「看護・介護にかかわる外国人のための日本語スピーチコンテスト」開催中止のお知らせ」(クリックするとページに移動します) 

 

 

AOTSは2012年より「看護・介護にかかわる外国人のための日本語スピーチコンテスト」を実施しています。開催概要を掲載するとともに、2018年度の入賞者、特別賞受賞者のスピーチの様子等をご紹介しておりますので、ぜひご覧ください。

【第7回】 看護・介護にかかわる外国人のための
日本語スピーチコンテスト

主催:一般財団法人海外産業人材育成協会(AOTS)

共催:独立行政法人国際交流基金

協賛:(株)カスタメディア 、(株)公文教育研究会、(株)光洋スクエア、(株)スリーエーネットワーク、(一財)日本インドネシア協会 / バンクネガラインドネシア東京支店、(一財)フィリピン協会、フィリピンナショナルバンク東京支店、(株)凡人社、(株)ラーンズ

後援:(公社)国際日本語普及協会(AJALT)、東京福祉専門学校、(公社)日本介護福祉士会、(公社)日本語教育学会、松本短期大学
(五十音順)

2018年度コンテスト参加者の皆さん

開催趣旨

現在日本では、医療・福祉現場への外国人人材の受入れが進み、社会的にも大きく注目を集めています。
そうした中、AOTSは2012年より「看護・介護にかかわる外国人のための日本語スピーチコンテスト」を実施し、日本各地で看護・介護に携わる外国人が外からの視点で日本の医療や介護について意見を述べる機会を提供して参りました。

過去6回のコンテストは盛況に実施され、発表者本人たちの仕事や自己研さんの励みとなるだけでなく、日本の医療福祉関係者や利用者にとっても、彼らの発表から多くのことを学べる機会となったというお声をいただきました。また、コンテストの様子はメディアでも多く取り上げられ、実施後も大きな反響を呼びました。

この度、第7回のコンテストを開催する運びとなりましたが、今回も今まで以上に示唆に富んだスピーチが披露されるものと期待されます。つきましては、多くの皆様のご応募、ご支援、ご協力のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。

NHK総合テレビ 9月30日(日)のニュースで放映されました!

開催日時・場所・来場者数

開催日時

2018年9月29日(土) 13:30~16:30

開催場所

東京芸術センター 天空劇場
東京都足立区千住1-4-1( GoogleMap : 日本語English )

来場者数

約200名

入賞・特別賞 受賞一覧

 入賞

第1位

タード・ルアージリ・アッドヴィンクラ(フィリピン)*「パンダの楽しみ」

第2位

ガルシア・ジリアン・アギラル(フィリピン)*「日本における終末期ケアを体験して感じたこと」

第3位

施 思(中国)「日本の看護師が教えてくれたこと」

特別賞

利用者の笑顔が一番賞

アレリャノ・フィビ・シェイン・ガルシア(女性・フィリピン)*

「なんで介護の仕事?」

心から心への介護賞

グエン・ティ・タン・ヒエウ(女性・ベトナム)

「私にとって介護とは」

心のこもった看護賞

ラスティウル・ジュニアルトハ・シアハアン(女性・インドネシア)*

「心を込めて仕事をしましょう」

絆 賞

ムハマド・ファター・フディン(男性・インドネシア)*

「介護の体験から学んだこと」

祈りの力賞

ハルディヤント(男性・インドネシア)*

「精神的な治療法」

国籍を超えて愛情でつながる心賞

プリヨ・クスモ(男性・インドネシア)*

「技術と愛情」

ナイス気配り賞

倉角 ドロティ ビラル(女性・フィリピン)

「人と人の関わり方」

*の発表者はEPA賞も同時に受賞いたしました。

EPA賞とは…EPA候補者を応援することを目的とした賞。出場者のうちEPA候補者の7名全員に授与(一部は国家試験に合格済みの元EPA候補者)

 発表内容(発表順)

「なんで介護の仕事?」

アレリャノ・フィビ・シェイン・ガルシア (女性・フィリピン)

介護の仕事をしてよくきかれる質問について、自分の意見を話したい。なぜ介護の仕事を選んだのか?—様々な世代の中でも、お年寄りが大好きだから。この仕事の何が好き?—小さなことでも、お年寄りがいつも喜んでくれるところ。この仕事の何が嫌い?—利用者との別れ。介護の仕事は苦労も多いが、毎日の仕事から得られる喜びは苦労よりも大きい。皆さんにも、介護の大変な部分だけでなく、その楽しい魅力的な部分にも目を向けてほしい。

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アレリャノさん

「私にとって介護とは」

グエン・ティ・タン・ヒエウ (女性・ベトナム)

日本語学校に行く傍ら多くのアルバイトをしたが、一番長く続いたのは介護の仕事だった。仕事は大変でも、利用者の笑顔に心が動かされた。その後も、介護専門学校に行きつつ介護のアルバイトを続けた。アルバイトを辞める際、利用者が涙ぐむのを見て感動を覚えた。これは介護職にしか味わえない感動である。新しい職場では、うつ病の利用者に笑顔でお礼を言われ、「心から心への介護」が実現できたと思った。今後も暖かい心で仕事をしていきたい。

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グエンさん

「心を込めて仕事をしましょう」

ラスティウル・ジュニアルトハ・シアハアン (女性・インドネシア)

EPA候補者として来日し、看護国家試験にも合格した。最初はコミュニケーションに苦労したが、ミスを恐れて話さないのは間違いだと気づき、今は積極的に話をしている。仕事では、患者を元気づけてあげられるときもあれば、患者の不安な気持ちに対し何もできないときもある。そのような経験を重ねると、医療的治療だけでなく心的治療の重要性を強く感じ、現在は緩和ケアに興味がある。看護師は、患者に対し心のこもった仕事をしなければならない。

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ラスティウルさん

「日本における終末期ケアを体験して感じたこと」

ガルシア・ジリアン・アギラル (女性・フィリピン)

施設で利用者の死を経験するうちに、日本の施設における終末期ケアについて考えるようになった。治療を行わずに看取りを選択するのは、消極的安楽死ではないかとも考えた。しかし、看取りを決断した家族もまた悩み、残された時間を大切にしている姿を見て、看取りは安楽ではなく、生を全うすることだと考えるようになった。苦しむ家族や最期を迎える利用者に対しできる限りのことをし、彼らの心に寄り添うことができる介護福祉士になりたいと思う。

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ガルシアさん

「介護の体験から学んだこと」

ムハマド・ファター・フディン (男性・インドネシア)

日本への憧れと人の役に立つ仕事がしたいという理由でEPA候補者として来日したが、施設で働き始めると、介護の仕事にやりがいを感じられずにいた。そんな時、お世話になっていた利用者が倒れ、応急処置を行うことになった。救急隊員に引き継ぐ際にはその利用者との思い出で胸がいっぱいになり、人命を預かる重責を感じるとともに、人の役に立ちたいという自分の初心を思い出すことができた。プロの介護福祉士になるため、今後もがんばりたい。

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ムハマドさん

「パンダの楽しみ」

タード・ルアージリ・アッドヴィンクラ (男性・フィリピン)

施設で働き始めた直後は、コミュニケーションの問題で、利用者を怒らせたりした。しかし、失敗に負けず仕事や勉強をがんばっていると、寝不足で目の下にクマができ、パンダのようになってしまった。その後、日本語が通じなくても冗談を言って利用者と接するよう努めていると、少しずつ信頼関係が生まれた。言葉が違っても、大切なのは心の繋がりである。パンダのようになっても、犠牲には価値があると思う。今後も、利用者の笑顔を引き出し続けたい。

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タードさん

「精神的な治療法」

ハルディヤント (男性・インドネシア)

EPA候補者として来日する前にも日本で働いた経験があり、その際、日本の病院を受診した。病院で、スタッフが心を込めて患者と接するのを見て、とても感動した。現在は、施設で自分が実際に同じことを利用者にしている。一方、日本では精神的な治療が行われていないことを残念に思う。自分の国では、重度の患者に対し、精神的・宗教的な治療を行い、患者の心を静めることは大切だと考えられている。精神的な治療の導入を、日本人に訴えたい。

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ハルディヤントさん

「日本の看護師が教えてくれたこと」

施 思 (女性・中国)

日本で看護師となり、最初は苦労したが、今は日本の看護を理解できるようになった。日本の看護で感心するのは、看護師の患者に対する思いやりで、患者の個別性に合わせて看護が行われている。ある日、患者の不安を理解するため、鎮静剤を使わず自ら胃カメラ検査をした。それにより、患者のつらさがより分かるようになった。もうひとつ心がけているのは、「看護師は一生勉強」ということ。今後も、勉強する意識を持ち、患者に合わせた看護を提供したい。

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施さん

「技術と愛情」

プリヨ・クスモ (男性・インドネシア)

介護の仕事をしながら、介護ロボットがあったらどうなるか考えてみた。職員に聞くと、「ロボットにすべては任せられない、やはり人間の方が信頼できる」と言われた。利用者に聞くと、「ロボットは心がないから要らないよ」と言われた。介護は人と人をつなぐ仕事なので、気持ちのないロボットは人間に代わることはできない。技術が高いのはいいことだが、介護には愛情が最も大切である。自分は、技術を駆使しつつ、愛情を込めて利用者に接していきたい。

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プリヨさん

「人と人の関わり方」

倉角 ドロティ ビラル(女性・フィリピン)

介護職を長くしているが、介護福祉士の試験に何度も落ちた。現場と試験の内容にズレを感じている。介護現場では多くの経験をした。難しい性格のAさんに施設でよく怒られたが、終末期に自宅を訪問して楽しく会話し、別れ際にグッときたこと。認知症のBさんが便失禁した際、「臭い」と言わず「ジャスミンの香り」と言ったところ、施設でそれが合言葉になったこと。さまざまな利用者がいるが、考えを尊重し、楽しく生きてもらうことが大切だと思う。

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倉角さん

お問い合わせ

グローバル事業部 日本語教育センター(JLTC)

電話:03-3888-8250 FAX:03-3888-8264

スピーチコンテスト係

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