職場環境改善の取り組みの良好事例 フィリピン

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自動車製造業

多くの従業員が働いている建物と道路を隔てて、同社の社員食堂と診療所があります。 多くの従業員が昼休み時間に、まず、会社敷地内の引渡しゲートを横断し、 それから交通量の多い公共道路を広がって渡っていくので危険でした。 改善後イラストのように部品を搬入する車両用のゲートは閉鎖され、新しい歩行者用ゲートが作られました。

改善方法は、 車道をばらばらに広がって横断しなくても済むように歩行者用のゲートの位置を変更するというものです。 私たちは、敷地境界のフェンスの金属部分を切り、歩行者用ゲートに変えました。 プラント・ボックス部分も変更し、古い歩行者用のゲートはロックしました。改善した結果ですが、従業員は簡単な改善でよい結果が得られることを喜んでいます。 従業員に対し、それぞれの職場で役立ちそうな同じような提案を行うことが奨励されています。 道路を横断する煩雑さが簡素化されました。

改善前の道路横断状況

改善を維持するため、従業員に対し、安全に関する改善を提案することが奨励されています。 この提案制度は、今後,重要業績評価指標(KPI)に組み入れることが計画されています。

小木和孝講師コメント

人の動きを観察したことでできた改善である。 知恵を絞って用意周到にシュミレーション・テストをしてから実施している。 創意工夫が生かされた事例である。 研修参加者にとくに評判がよかった改善例となっている。 観察結果をたくみに生かして、実施可能策を編み出した。 安全向上に具体的な成果をあげたことが、皆の共感を育成することに役立ったと認められる。

当情報の取得年月日:2011年9月

 

家電製造・販売業

1) 作業現場の改善

今まで、入口は、セキュリティー上、シャッターを閉めて作業を行っていました。 そのため、職場は非常に暑く、空気が悪くなりました。 そこで、職場の入口を施錠つき柵状ドアにしておくことで、職場の大気環境を良好に保つように改善しました。(写真1)

2) フォークリフトのルート変更による改善

写真は、空調設備製造区域におけるフォークリフトの「立入禁止」区域があることを示しております。 製造区域内に安全マーキングを設置し、フォークリフトの進入を制限しました。 この結果、次の3つの改善ができました。(写真2)
  (1) 燃料消費量の低減(CO2削減プログラムの一環)が実現されました。
  (2) 職場内での排気ガスによる被害を最小にしました。
  (3) 施設への損傷、製造区域で働く作業員との接触事故の防止に繋がりました。

改善前は、人々はフォークリフトから出る排気ガスに苦情を訴えていました。 フォークリフトは、ディーゼル・オイルの消費量が多く、 また、接触により、消火用ホース箱が損傷するなど施設の損傷がありました。 また、区域内で従業員とのヒヤリハット事故がたくさんありました。

 

 

(写真1)

(写真2)

 

この改善をするために、私たちは、以下の努力を行いました。
  1) 生産エリアに安全マーキングを施しました。
  2) 業務連絡文書を配布し、職場で働いている全員にこの活動を周知しました。

生産部門での安全管理の実現や職場の日常的な業務における安全管理の情報を共有しようと働きかけています。

職場の環境改善のために、私たちは、定期的な監査、毎月の安全検査、 区域の作業環境改善を実施しています。作業環境測定は、気温、換気、騒音、湿度を年1回測定しています。

小木和孝講師コメント

シンプルな改善である、改善したことで、油のコストも下がり、破損の被害も減り、 従業員が働きやすい環境ともなり、誰の目からみても効果が多岐にわたっているのがわかるよい事例である。 作業者の実体験がもとになって、関係者同士で討議して、低コストの多面改善が実現したよい例になる。 改善の効果を具体的に検証していることもよかった。